マイケル・ガーリック Michael Garrick - Troppo! (1974)
マイケル・ガーリック|トゥロッポ!
- Genre:ジャズ
- Style:ブリティッシュ・ジャズ、モード・ジャズ、ジャズ・ロック
- Recording:1973
- Release:1974
- Label:Argo
- Coleridge Goode (b), Dave Green (b), Trevor Tomkins (ds), Art Themen (fl, ss, ts), Don Rendell (fl, ss, ts), Michael Garrick (key), Henry Lowther (tp, fh, vl) ,Norma Winstone (vo)
マイケル・ガーリックは、ジョー・ハリオット・クインテットに参加後、ドン・レンデル=イアン・カー・クインテットに合流し、逆に自己のバンドにドン・レンデルやイアン・カーを巻き込み、60年代~70年代前半を駆け抜けたことを以前「Black Marigolds」や「Prelude To Heart Is A Lotus」で紹介しました。その「Prelude To Heart Is A Lotus」と同じく、このアルバムではノーマ・ウィンストンがボイスを担当。変幻自在のスキャット・ワークを聴かせてくれます。
ノーマ・ウィンストンがこのアルバムにとってどれくらい存在感があるかというと、基本的には他の楽器とユニゾンしているだけなので、仮にいなくても楽曲の素晴らしさに減点はないでしょう。ノーマ・ウィンストンの功罪というか、もし彼女がいなかったらジャズ・ロックという呼称で括られることは稀だったのではないかと思います。もっとモード・ジャズとして捉えられる機会が多かったのではとも思ったり。私はノーマ・ウィンストンのボーカルこそこのアルバムに華を添えているように聴こえますが、入ってないかったらどうだろうと想像してみたりもします。例えばラスト・トラック「Overtones of A Forgotten Music」にそれを垣間見るわけです。ただ、彼女はボーカルではなくボイスなので、楽器演奏者として捉えるのが道理なのかな、と。
肝心の中身についてほとんど触れていませんが、マイケル・ガーリックの作品でも1, 2を争う名作だと思います。ベストはタイトル・トラックの「Troppo!」。緩急自在のブリティッシュ・モード傑作でしょう。そういえば、このアルバムも再発に至る経緯にはジャイルズ・ピーターソンが関わっているとかいないとか。
にしても疑問なのが、これが「トゥロッポ」と発音するのか、それとも「トロッポ」と読むのかわからないということです。