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ジャズの名盤探検隊

メイレレス・エ・オス・コパ・5 Meirelles E Os Copa 5 - O Som

Meirelles E Os Copa 5 - O Som

Meirelles E Os Copa 5 - O Som

Genre:ジャズ
Style:ブラジリアン・ジャズ
Recording:1964
Release:1964
Label:Philips
J.T. Meirelles (ts, fl), Manuel Gusmao (b), Dom Um Romao (ds), Luiz Carlos Vinhas (p), Pedro Paulo (tp)

ブラジル音楽愛好家の間では通称「青盤」として有名な J.T.メイレレスのスーパー・グループのデビュー作。サイドメンにはルイス・カルロス・ヴィーニャス Luiz Carlos Vinhas(Bossa Tres)やドン・ウン・ホマォン Dom Um Romao の名前も。須永辰緒の夜ジャズ・シリーズでも有名です。

冒頭を飾る「Quintessencia」はサンバ・ジャズの王道で、素晴らしい演奏を各人が聴かせてくれます。続くスローナンバー「Solitude」はモンクのラウンド・ミッドナイトが下敷きとしてたぶんあるでしょう。あそこまで湿り気がない憂いなのはやはりブラジリアンだからでしょうか。「Blue Bottle's」は陽気なナンバー。ソロがバトンタッチされていくさまが気持ちいいですね。「Nordeste」も「Blue Bottle's」と同じように中盤を固めるには良曲でしょう。そしてブラジリアン・モーダルとして大変評価の高い「Contemplacao」。「Tania」はボッサ・テイストを取り入れた締めに相応しいナンバー。どの曲もメイレレスのソロが素晴らしい。

アレンジャー、またグループのリーダーであるメイレレスは1940年10月10日生まれ。コンポジションとアレンジメントをボストンのバークリー音楽院で学び、リオやサン・パウロのグループやオケでアレンジをしたり、実際に演奏していました。

ベースのマヌエル・グスマンは1934年7月1日生まれ。1960年にプロ・ミュージシャンになり、ボトルズ・バーで演奏していました。1961年のモントルー・ジャズ・フェスティバルのような大きなイベントやカーネギー・ホールでの歴史的なコンサートでの演奏経験もあります。

トランペットのべドロ・パウロは「カリオカ」ではない唯一のメンバーで、ジュイス・デ・フォラに1939年に生まれました。前述のマヌエル・グスマンと同じようにカーネギー・ホールでのコンサートに参加したり、ヴィレッジ・ゲイトでも演奏しました。ドラムスのドン・ウン・ホマォンと一緒にキャノン・ボール・アーダレイの吹き込みにも参加したことがあります。

言わずとしれたルイス・カルロス・ヴィーニャスは1940年5月19日生まれ。この頃既に彼の名前は有名になっていて、ジョアン・ジルベルト、マイーサ、ジョルジ・ベンなどと共演していました。

CD化に際して3曲のボーナス・トラックが追加されていて、それには、ロベルト・メネスカルや、ワルテル・ブランコ、デオダートらの名前が見れるところを見ると、たぶんこの次のアルバム吹き込みに際してのアウトテイクかと思われます。どれも2分弱の小曲ですが、メネスカルからの影響か、ジャズ・ボッサの風味が心地良い良曲です。

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