パーム・ユニット Palm Unit - Hommage à Jef Gilson (2018)

パーム・ユニット - トリビュート・トゥ・ジェフ・ギルソン
- Genre:ジャズ
- Style:コンテンポラリー・ジャズ
- Recording:2018
- Release:2018
- Label:Super-Sonic Jazz
- Philippe Garcia (ds), Frédéric Escoffier (og), Lionel Martin (ts, bs), Del Rabenja (valiha)
オランダの新興レーベル Super-Sonic Jazz の第一弾リリース、フランスのジャズ・ミュージシャンによる故ジェフ・ギルソン Jef Gilson のトリビュート・アルバム。Super-Sonic Jazz というのは勿論サン・ラー Sun Ra からの引用で、これだけで相当コズミックですが、ジェフ・ギルソンは現代にアップデートすると正にコズミックになるということを証明してくれる名作となっています。マスト・バイです。
エリック・トラファズ・カルテット Erik Truffaz のドラマー=フィリップ・ガルシア、ユーカンダンツ Ukandanz のテナー=リオネル・マルタン、それにル・サクル・デュ・タンパン Le Sacre du Tympan のフレデリック・エスコフィエ=オルガンが中心となって、マラガシー Malagasy のメンバーだったデル・ラベンジャ Del Rabenja まで召喚して結成されたこのパーム・ユニット。パーム Palm はジェフ・ギルソンが自作をリリースしていた自主レーベルで、バンド名からしてオマージュになっています。
全編素晴らしいですが白眉を挙げるとすれば、冒頭「Ouverture Jazz Pour San Remo」と、ファラオ・サンダース Pharoah Sanders のカバー「The Creator Has A Masterplan」。前者はジェフ・ギルソンがサン・レモ・フェスティヴァルのために書いた組曲で、これが首尾よく換骨奪胎されて、60年代フランスのダウナーな空気が見事に拡大解釈されています。後者はジェフ・ギルソンがマラガシーでカバーしたスピリチュアル・ナンバー。リオネル・マーティンの咆哮のようなテナーと、フレデリック・エスコフィエのオルガンに、デル・ラベンジャのヴァリハ(マダガスカルの伝統弦楽器)がテキスタイルのように織り重なって、ミクロ・コスモスを形成する様は圧巻。
以前紹介したジェフ・ギルソンのアルバムは「At Newport Paris」「New Call From France」。
