私は聖者になりたい発言収録 ジョン・コルトレーン John Coltrane - Live In Japan 完全版
ジョン・コルトレーン|ライヴ・イン・ジャパン
- Genre:ジャズ
- Style:モード、フリー
- Recording:1966
- Release:2011
- Label:Impulse!
- ジョン・コルトレーン、ファラオ・サンダース、アリス・コルトレーン、ジミー・ギャリソン、ラシッド・アリ
65年末にはマッコイが脱退し、後任にはアリスが選ばれた。66年初頭にはエルヴィンが去った。そのままコルトレーン・バンドは5月にはヴィレッジ・ヴァンガードに久々に出演し、5月28日の公演が「ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲイン」として11月に発売。7月2日にはニューポート・ジャズ・フェスティヴァルに出演。そしてその一週間後にメンバーは日本へ向けて出発しました。マッコイとエルヴィンのいる黄金カルテットでの来日は叶いませんでしたが、ファラオとアリス入りの長期ツアーが行われたのは日本しかなかったそうです。
日本でのコルトレーン受容はそれこそ相倉久人氏などの著作などあたったり、戦後日本のジャズ文化に触れざるをえなくなるのでここでは割愛しますが、「アセンション Ascension」が日本でリリースされたばかりとはいえリアルタイムのコルトレーン変容にはとても追いついてないまま来日を迎えた聴衆がどういう反応だったか想像するとかなり面白いですね。
この完全版の聞きどころは、そういう66年7月に日本が直面したコルトレーン・ショックを存分に味わえるということもありますが、それだけでなく、7月9日に東京プリンスホテルで行なわれた公式記者会見がそのまま収められていて、資料的にも非常に価値があるというところです。「私は聖者になりたい」という有名な発言もこの会見時に出たもので、一体どういう文脈でどういうニュアンスでどんな口調でこの発言がなされたのか、それが肉声で聞けるところ、それがこの完全版のスペシャルなところです。
完全版が登場するまで主流だったCD4枚組。
1987年にワーナーから出ていた「Live In Japan, Vol. 1」と「同 Vol. 2」を1991年にマイケル・カスクーナ Michael Cuscuna の監修・編纂で合算したもの。
アナログ時代にはいくつかの分売が発売されていて、これはビクター音楽産業から出たもの。22日公演を収めた「Vol. 1」と、11日公演を収めた「Vol. 2」。
これは要するに東京公演最終22日の演奏を「音盤化してくれ」と多数挙がったリクエストとのすり合わせで、最終的にメーカーがセールス・プライオリティを鑑みた結果だろうと推測される。