フェルナンド・へルバルド Fernando Gelbard - Didi (1974)

Fernando Gelbard - Didi
- Genre:ジャズ
- Style:アルゼンチン・ジャズ、フュージョン、レア・グルーヴ
- Recording:1974
- Release:1974
- Label:Discos Redondel
- Ricardo Salas (b), Ruben Rada (cg, vo), Norberto Minichilo (ds), Fernando Gelbard (key), Miguel Chino Rossi (per), Horacio Chivo Borraro (ts)
アルゼンチンの鍵盤奏者、フェルナンド・へルバルドが、1974年に全曲自作曲で吹き込んだ唯一のリーダー作。フェンダー・ローズ、ムーグ、シンセなど、様々な音色の鍵盤で楽しませてくれます。ジャザノヴァ Jazzanova ネタ関連。CDが再々発されて、ボーナス・トラックが2曲も追加されたバージョンが出回っているようなので、これから買うなら旧盤を手にしないようにしませんと。
1974年というとブラジルではアジムス Azymuth のデビュー直前で、以前取り上げた「Demos 1973-1974」真っ最中で、南米産フュージョンがいよいよ開花しようとしているところ。で、知名度は数段落ちますが、アルゼンチンでも同じようにエレクトリックで実験的なことをしていました、みたいな感じでしょうか。
冒頭を飾る「Hola Didi」は浮遊感のあるブラジル風ナンバー。マルコス・ヴァーリの「So Nice」をエレクトリックにアレンジして、フワフワ感をかけ合わせたらこんな感じになるでしょうか。打って変わってトラック 2「El Senor Mayor」は9分に及ぶエレクトリック・モーダル・ナンバー。フェルナンド・へルバルドのフェンダー・ローズはすごく浮遊感があるので、ちょっとモンドっぽさを感じさせるのが面白いところ。チーボ・ボラロのテナーが、これたぶん多重録音されていて半ばカオスを感じさせます。トラック 3「Mojo Uno」はアコースティックでやったらたぶんバラッドか哀愁系なのかもしれませんが、ムーグ使っちゃっているので完全にスペース・エイジになっています。トラック 4「Alevacolariea」サンバ風モーダルナンバー。フロアではいいかもしれませんが、アレンジに捻りがあってソロが充実していれば、と思うのは贅沢でしょうか。
