変遷し続けたコルトレーン John Coltrane - Transition (1970)

ジョン・コルトレーン|トランジション
- Genre:ジャズ
- Style:モーダル、ポスト・バップ
- Recording:1965
- Release:1970
- Label:Impulse!
- ジョン・コルトレーン、マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズ
後期黄金クァルテットの名作、トランジション。プロデューサーにはアリス・コルトレーンのクレジット。
コルトレーンは死ぬまでの長いとはいえない活動期間中、己がスタイルを絶えず前進、というかシフトさせつづけた。当時、ライブを見に行ったらリリースされている新作の先のことを演っている、なんていうことがあったらしく、そのへんの事情もあって日本でのコルトレーン受容は今に至るまで物議を醸しているのかもしれない。コルトレーンの場合、その延長の亜種として、初心者は手を出さないほうがいいアルバム、なんていうナンセンスな言い回しを目にする機会も多い。このアルバムの時期のコルトレーンがそれにあたる。
このアルバムは極私的なコルトレーン原体験。同時代のロックばかり聴いていたけどコルトレーンの名前くらいは知っていたはずのティーン・エイジャーが、古本屋で二束三文で手に入れた、今考えるとどうしてこのダサいジャケのアルバムを最初に買ったのか問いただしたくなるほどである。斜め上に複写されていく縦長感から、痩せていて老けている感じのコルトレーン・イメージが未だに抜けない。
聞いても聞いても掴みどころがなく、どこか惹かれるところがあるのにそれがよく分からない。書籍で名盤だと紹介されてたのを見たこともない。ジャケもダサい。どう判断してよいか分からなかった。今でも理解したとはいえないけれど。
