ジャズの名盤・名作をご紹介

ジャズの名盤探検隊

3度も録音!ジョージ・ラッセル George Russell - Electronic Sonata for Souls Loved by Nature (1967, 1968, 1980)

George Russell - The Essence of George Russell

ジョージ・ラッセル|ジ・エッセンス・オブ・ジョージ・ラッセル

Genre:ジャズ
Style:ビッグ・バンド、アヴァンギャルド、ユーロ・ジャズ
Recording:1966-67
Release:1971
Label:Sonet
Arne Domnérus (as, cl), Erik Nilsson (bs, bcl), Arild Andersen (b), Georg Riedel (b), Sabu Martinez (congas), Egil Johansen (ds), Jon Christensen (ds), Terje Rypdahl (g), Rune Gustafsson (g), Bengt Hallberg (p), George Russell (p), Jan Garbarek (ts), Claes Rosendahl (ts, fl, ss, as), Lennart Åberg (ts, ss, fl), Bertil Lövgren (tp), Jan Allan (tp), Lars Samuelsson (tp), Maffy Falay (tp), Stanton Davis (tp, fh), Berndt Egerbladh (vib)

この作品は、スウェーデンの名門レーベル、Sonetレコードから発表されました。Sonetは1950年代から北欧を中心に活動していたジャズ・レーベルで、多くの素晴らしいジャズ・アルバムをリリースしてきた由緒あるレーベルです。George Russellの独創的で挑戦的な音楽性にも着目し、彼の代表作の1つとなる本作を世に送り出したのです。

「The Essence of George Russell」は、Russellが長年研究を重ねてきた独自の音楽理論"リディム楽居"の考え方に基づいて作曲された作品となっています。リディム楽居とは、リズムとメロディー、ハーモニーを有機的に融合させる理論で、Russell独特の音楽哲学が凝縮されています。本作はこの理論を具現化した作品と言えるでしょう。

演奏に参加しているのは、21人もの錚々たるミュージシャンたち。ビッグバンド編成でありながら、モーダル的なハーモニーやポリリズム、独特のメロディラインなど、非常に実験的でアヴァンギャルドな一面も持ち合わせています。一方で叙情的でメロディアスな側面も併せ持っており、Russell独自の音楽世界が存分に表現されているのが感じられます。

ジャズとクラシック音楽の融合を目指したこのアルバムは、当時からジャズ評論家からも高い評価を受けた作品です。Russell音楽の精髄ともいうべき、壮大で芸術的な作品に仕上がっていると言えるでしょう。Sonetがこうした前衛的な作品をリリースしたことは、当時としては非常に意欲的な試みだったはずです。

George Russell - Electronic Sonata for Souls Loved by Nature 1968

ジョージ・ラッセル|エレクトリック・ソナタ・フォーソウルズ・ラヴド・バイ・ネイチャー 1968

Genre:ジャズ
Style:モーダル、アヴァンギャルド、ユーロ・ジャズ
Recording:1968
Release:1971
Label:Flying Dutchman
Red Mitchell (b), Jon Christensen (ds), Terje Rypdal (g), George Russell (p), Jan Garbarek (ts), Manfred Schoof (tp)

おそらくこの1968年盤がエレクトリック~として人口に膾炙していると思われます。実際、英語版のウィキベディアにはこれが1stバージョンで、1980年版が2ndバージョンとなっています。ともかく、ビッグ・バンド編成だった1967年盤よりもエレクトリック~の骨格を掴みやすくなっています。

それにしてもメンバーが豪華で、後のユーロ・ジャズのビッグ・ネームがずらり。テナーにヤン・ガルバレク、トランペットにマンフレッド・ショーフ、エレクトリック・ギターにテリエ・リピダル、ベースはレッド・ミッチェルで、ドラムにヨン・クリステンセン。ヤン・ガルバレクとテリエ・リピダル、ヨン・クリステンセンは1967年盤にも参加していたところから、引き続き参加をリクエストされたのだと思われます。

George Russell - Electronic Sonata for Souls Loved by Nature 1980

ジョージ・ラッセル・セクステット|エレクトリック・ソナタ・フォーソウルズ・ラヴド・バイ・ネイチャー 1980

Genre:ジャズ
Style:モーダル、アヴァンギャルド
Recording:1980
Release:1980
Label:
J.-F. Jenny-Clark (b), Victor Comer (g), Keith Copeland (per), George Russell (p, og), Robert Moore (ts, ss), Lew Soloff (tp)

80年盤は3つの盤の中で最もグルーヴィーで、ベースとドラムのノリが明らかにいいです。実験性という意味では同一線上にあっても、静と動のダイナミズム、振り幅が大きい。リードであるロバート・ムーアのサックスとルー・ソロフのトランペットも手数の多いように感じます。

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